2017年2月26日日曜日
ルワンダと南スーダン
少し前のイベント参加報告。
1月にルワンダと南スーダンそれぞれの活動報告会に参加してきた。
ルワンダは内戦などで手足を失った人々のために義足(義手・杖)を作り、贈り続けているOne Love Projectのルダシングワ真美さんガテラさん夫婦。映画「ホテル・ルワンダ」で知られるルワンダの大虐殺は1994年のこと。自身下肢に障害を持つガテラさんの経験などから義肢作成の技術を学び、ガテラさんの故郷ルワンダで義肢製作所を含めたプロジェクトを始めて20年。隣国ブルンジも含めて多くの人々に希望を贈り続けている。ルワンダ内戦・大虐殺はなぜ起こったのか?民族間の対立と言われているが生物学的民族学的に何も違いの無いルワンダの人々が植民地支配を容易にするために宗主国によって無理矢理分けられ、一方を重用することで支配の安定を図った。その結果である。
南スーダンは先日国会でも証言されたJVC(日本国際ボランティアセンター)の今井高樹さんの報告。JVCからスーダンに派遣された今井氏は、独立前から南スーダンでも活動を展開してこられた。国会では「『戦闘』か『衝突』かという議論は言葉遊び」と切り捨てた今井氏。南スーダンのスーダンからの独立は2011年。遡ればやはり植民地支配、今度は民俗的に異なる両者(エジプト支配と英国支配)を統合して統治、そのまま独立国家となったため、対立が続き、先進国や周辺国の利害(資源と武器)が相まって続いたスーダン内戦。住民投票を経て南スーダン独立となったが、そこにまたもや外からの利害関係・主導権争いが持ち込まれ、南スーダンの内戦に発展。
歴史的な意味も含めて「支配」という仕組みが人を苦しめる。乗り越えることはできるのか?
ルワンダでは個々はともかく、分断された民族は解消され、共に歩んでおり、アフリカの中で優等生国家である。One Love Projectも職を得ることが困難であった加害側の民族出身者を積極的に仕事を与えるなどの考慮をしてきたと言う。
南アフリカや東ティモールで見聞きしてきた「和解」がキーワードであることは間違い無い。
参考までにルワンダではプラスチック製の袋の使用が禁じられていると言う。ゴミ問題のため。渡航される際はレジ袋など持ち込まない様お気をつけください、とのこと。日本ではそれこそ企業の利害で実現しないんだろうなぁ。
また今井氏とは、反アパルトヘイト前後の津山直子さん、パレスチナの藤屋リカさんなど私たちがお世話になったJVCの古い(失礼!)メンバーの話をしながらご挨拶させて頂いた。
(大城研司)
【参考】
ムリンディ・ジャパン ワンラブ・プロジェクト:http://www.onelove-project.info
JVC日本国際ボランティアセンター:http://www.ngo-jvc.net