2015年7月15日水曜日
正平協:強行採決抗議声明2015.07.15.
日本カトリック正義と平和協議会(会長:勝谷太治司教)は、本日7月15日、衆議院 平和安全法制特別委員会における安全保障関連法案の強行採決に厳重に抗議し、内閣総理大臣の安倍晋三氏、衆議院平和安全法制特別委員会会長の浜田靖一氏あて抗議声明を発表しました。
========【以下、抗議声明全文を引用】========
日本カトリック正義と平和協議会は、本日7月15日、衆議院 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会(平和安全法制特別委員会)における安全保障関連法案の強行採決に厳重に抗議します。
昨年2014年6月27日、私たち正義と平和協議会は集団的自衛権の行使容認の閣議決定の直前、以下の一文から始まる抗議声明を発表しました。
昨年2014年6月27日、私たち正義と平和協議会は集団的自衛権の行使容認の閣議決定の直前、以下の一文から始まる抗議声明を発表しました。
「わたしたちは戦後70年、日本国憲法、特に、国際平和の創造を呼びかけ、恒久平和を誓った憲法前文と戦争放棄を定めた憲法第9条を信じ、尊重し、守ってきました。それによって日本は、依然として武力紛争の絶えない国際社会にあって、自国民についても、他国の人びとに対しても、戦死者をひとりも出すことがありませんでした。しかし現安倍内閣は、解釈改憲によって集団的自衛権の行使を容認し、この平和な70年に幕を引こうとしています。
これまでの政府の憲法解釈では、憲法9条の下で許容される自衛権の行使は、専守防衛に徹するものとし、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず武力行使を可能にする集団的自衛権の行使は、その範囲を超え、憲法上許されない、とされてきました。ところが現政権は、これを憲法の範囲内とする、大幅な解釈変更を行おうとしています。
憲法の基本理念に抵触するこのような解釈の変更を、一内閣の決定によって行うことは、立憲主義の否定であり、断じて許されることではありません」
これまでの政府の憲法解釈では、憲法9条の下で許容される自衛権の行使は、専守防衛に徹するものとし、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず武力行使を可能にする集団的自衛権の行使は、その範囲を超え、憲法上許されない、とされてきました。ところが現政権は、これを憲法の範囲内とする、大幅な解釈変更を行おうとしています。
憲法の基本理念に抵触するこのような解釈の変更を、一内閣の決定によって行うことは、立憲主義の否定であり、断じて許されることではありません」
ところが安倍内閣は、私たちの抗議を聞き入れることなく、昨年7月1日、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行いました。また、政府は、この閣議決定に基づき、極めて重要な11本の法案を一括した安全保障関連法案を本年5月15日に国会に提出し、さらに本日7月15日、衆議院 平和安全法制特別委員会においてこの法案の強行採決を行いました。
安倍内閣は国際関係の緊張を理由に抑止力強化こそ平和の道と強調します。しかし、集団的自衛権の行使容認は国際的緊張とテロ発生の危険をむしろ一層高め、軍拡競争への道を開き、政府の恣意的な判断による海外での武力行使に道を開くものです。
集団的自衛権の行使容認は憲法違反。これが長年にわたる我が国政府の公式見解ででした。これは、国内の弁護士全てを束ねる日本弁護士連合会、国内の大多数の憲法学者の見解でもあります。憲法を無視して集団的自衛権の行使を実現するこの法案の成立は、立憲主義という国家の枠組みを破壊します。立憲主義が破壊されたのちに残されるのは独裁的支配です。
平和とは、単に戦争がないことでもなければ、敵対する力の均衡を保持することでもなく、独裁的な支配から生じるものでもありません。地上の平和の獲得に必要なのは、他人および他国民と、また彼らの尊厳を尊重する確固たる意志および兄弟愛の実践なのです。(『第二バチカン公会議 現代世界憲章』<1965年・ローマ教皇庁>より要約)
わたしたち日本カトリック正義と平和協議会は平和をこのように理解しています。集団的自衛権の行使を実現する安全保障関連法案は、わたしたちの平和理解と真っ向から対立するものです。なぜならそれは、国際的緊張を高めて敵愾心を煽り、人を戦争へと駆り立て、立憲主義を破壊して独裁社会への道をつくるからです。
わたしたち日本カトリック正義と平和協議会は、衆議院 平和安全法制特別委員会における安全保障関連法案の強行採決に強く抗議し、速やかにその取り下げ、廃案を求めます。
安倍内閣は国際関係の緊張を理由に抑止力強化こそ平和の道と強調します。しかし、集団的自衛権の行使容認は国際的緊張とテロ発生の危険をむしろ一層高め、軍拡競争への道を開き、政府の恣意的な判断による海外での武力行使に道を開くものです。
集団的自衛権の行使容認は憲法違反。これが長年にわたる我が国政府の公式見解ででした。これは、国内の弁護士全てを束ねる日本弁護士連合会、国内の大多数の憲法学者の見解でもあります。憲法を無視して集団的自衛権の行使を実現するこの法案の成立は、立憲主義という国家の枠組みを破壊します。立憲主義が破壊されたのちに残されるのは独裁的支配です。
平和とは、単に戦争がないことでもなければ、敵対する力の均衡を保持することでもなく、独裁的な支配から生じるものでもありません。地上の平和の獲得に必要なのは、他人および他国民と、また彼らの尊厳を尊重する確固たる意志および兄弟愛の実践なのです。(『第二バチカン公会議 現代世界憲章』<1965年・ローマ教皇庁>より要約)
わたしたち日本カトリック正義と平和協議会は平和をこのように理解しています。集団的自衛権の行使を実現する安全保障関連法案は、わたしたちの平和理解と真っ向から対立するものです。なぜならそれは、国際的緊張を高めて敵愾心を煽り、人を戦争へと駆り立て、立憲主義を破壊して独裁社会への道をつくるからです。
わたしたち日本カトリック正義と平和協議会は、衆議院 平和安全法制特別委員会における安全保障関連法案の強行採決に強く抗議し、速やかにその取り下げ、廃案を求めます。